瓦屋根の割れ・ズレ・漆喰劣化:和瓦・洋瓦別トラブル対策
はじめに
瓦屋根のトラブルは、放置すると雨漏りや建物の損傷につながる重要な問題です。この記事では、一般の方でも理解できるよう分かりやすく解説しますが、実際の修理作業は必ず専門業者にご依頼ください。
瓦屋根のトラブルが起こる理由と影響
瓦屋根は日本の住宅で長く愛用されてきた屋根材ですが、時間の経過とともにさまざまなトラブルが発生します。主な原因は以下の通りです:
- 自然災害:地震、台風、大雪による物理的な損傷
- 経年劣化:紫外線、雨水、温度変化による材料の劣化
- 施工不良:初期の取り付け方法に問題があった場合
- メンテナンス不足:定期的な点検や手入れを怠った場合
これらの問題を放置すると、雨漏りによる内部の腐食、カビの発生、断熱性能の低下など、住宅全体に深刻な影響を与える可能性があります。
瓦の種類別劣化パターン
和瓦と洋瓦の基本的な違い
項目 | 和瓦(日本瓦) | 洋瓦(セメント瓦・モニエル瓦等) |
---|---|---|
材質 | 粘土を焼いて作る | セメント、モルタル系 |
形状 | 波打った形状(S字型) | フラットな形状が多い |
耐久性 | 50年以上 | 20~30年程度 |
メンテナンス | 漆喰の塗り替えが主 | 塗装の塗り替えが必要 |
和瓦の特徴的なトラブル

漆喰(しっくい)の劣化
和瓦の場合、瓦同士を固定するために白い漆喰が使われています。
この漆喰に以下のような症状が現れます:
- ひび割れ:細かい線状の割れ目が入る
- 剥がれ:漆喰が瓦から剥がれ落ちる
- 変色:白色から黄色や黒色に変化する
- 苔の発生:湿度が高い部分に緑色の苔が生える
瓦のズレ・浮き
和瓦特有の問題として、以下のような現象があります:
- 棟瓦のズレ:屋根の一番高い部分の瓦が動く
- 平瓦の浮き:瓦が本来の位置から浮き上がる
- 瓦の重なり不良:隣同士の瓦の重なりが不十分になる
洋瓦の特徴的なトラブル

塗装の劣化
洋瓦は表面に塗装が施されているため、以下のような劣化が起こります:
- 色あせ:元の色から白っぽく変色する
- チョーキング:手で触ると白い粉が付く
- 塗膜の剥がれ:塗装が部分的に剥がれ落ちる
- カビ・藻の発生:黒や緑の汚れが付着する
材質の劣化
セメント系の洋瓦では、材質自体の劣化も問題となります:
- 表面の粗化:表面がザラザラになる
- 欠け・割れ:衝撃により欠けや割れが生じる
- 反り・歪み:温度変化により形状が変わる
地震後の点検ポイント
安全上の注意
屋根の点検は危険を伴います。以下の方法は地上からできる範囲での確認方法です。実際に屋根に上る作業は絶対に避け、専門業者にご依頼ください。
①地上からできる基本チェック
確認すべき具体的なポイント
確認箇所 | 正常な状態 | 異常のサイン |
---|---|---|
瓦の並び | 規則正しく整列している | 一部の瓦がずれている、浮いている |
棟(屋根の頂上部分) | 真っ直ぐで安定している | 波打っている、一部が下がっている |
漆喰部分 | 白くきれいな状態 | ひび割れ、剥がれ、変色がある |
瓦の表面 | 割れや欠けがない | 明らかな割れ、欠け、穴がある |
②室内からの確認ポイント
要注意のサイン
- 天井のシミ:茶色や黄色の変色
- 壁紙の剥がれ:湿気による接着力の低下
- カビの発生:黒い斑点状の汚れ
- 異常な雨音:今まで聞こえなかった場所からの水音
- 湿気の増加:室内の湿度が明らかに高くなった
部分修理 vs 全面葺き直しの判断基準
瓦屋根の修理方法は、損傷の程度や範囲によって大きく2つに分かれます。適切な判断をするための基準をご紹介します。
⑴ 部分修理で対応可能なケース
修理内容 | 対象となる症状 | 修理費用の目安 | 工期 |
---|---|---|---|
瓦の差し替え | 数枚の瓦の割れ・欠け | 1枚あたり5,000円~15,000円 | 半日~1日 |
漆喰の塗り直し | 漆喰のひび割れ・剥がれ | 1mあたり3,000円~8,000円 | 1~2日 |
瓦の位置調整 | 軽微なズレ・浮き | 1箇所あたり3,000円~10,000円 | 半日~1日 |
部分的な塗装 | 洋瓦の軽微な色あせ | 1㎡あたり2,000円~5,000円 | 2~3日 |
部分修理が適している条件
- 損傷が屋根全体の20%以下の範囲
- 瓦の下地(野地板)に問題がない
- 築年数が30年以下(和瓦の場合は50年以下)
- 構造的な問題がない
- 近い将来に大規模な工事の予定がない
⑵ 全面葺き直しが必要なケース
全面工事の種類と特徴
工事の種類 | 作業内容 | 費用の目安(30坪住宅) | 工期 |
---|---|---|---|
葺き直し | 瓦を一度取り外して下地を修理後、再び瓦を設置 | 150万円~250万円 | 1~2週間 |
葺き替え | 瓦を全て新しいものに交換 | 200万円~400万円 | 2~3週間 |
カバー工法 | 既存の瓦の上に軽量な屋根材を重ねる | 150万円~300万円 | 1~2週間 |
葺き直しを検討すべき症状
以下の症状が見られる場合は、全面的な工事を検討してください:
- 屋根全体の30%以上に損傷がある
- 複数箇所からの雨漏りが発生している
- 瓦の下地材(野地板、防水シート)の劣化が進んでいる
- 築年数が40年以上経過している
- 過去に何度も部分修理を繰り返している
判断に迷った時のチェックリスト
以下の項目で「はい」が多いほど、全面工事を検討することをお勧めします:
- 築年数が30年以上経過している □はい □いいえ
- 過去5年間で3回以上の部分修理を行った □はい □いいえ
- 複数の箇所に同様の問題が発生している □はい □いいえ
- 室内に雨漏りの跡がある □はい □いいえ
- 瓦がずれたり浮いたりしている箇所が10箇所以上ある □はい □いいえ
- 漆喰の劣化が屋根全体に広がっている □はい □いいえ
- 近所で同時期に建てられた家が屋根工事をしている □はい □いいえ
結果の目安:
- 「はい」が0~2個:部分修理で対応可能
- 「はい」が3~4個:専門業者による詳細診断が必要
- 「はい」が5個以上:全面工事を検討することをお勧め
専門業者選びのポイント
信頼できる業者の見分け方
- 資格・許可証の確認:建設業許可、瓦屋根工事技士などの資格を持っている
- 実績の確認:地域での施工実績が豊富で、事例を見せてもらえる
- 見積もりの詳細:材料費、工事費、諸経費などが明確に記載されている
- 保証内容:工事完了後の保証期間と内容が明確
- 対応の丁寧さ:質問に対して分かりやすく説明してくれる
注意すべき業者の特徴
以下のような業者は避けることをお勧めします:
- 突然訪問してきて「無料点検」を勧める
- 「今すぐ契約すれば大幅値引き」と急かす
- 見積もりが曖昧で詳細な説明がない
- 極端に安い、または高い見積もりを提示する
- 契約を急かし、クーリングオフの説明をしない
まとめ:定期的なメンテナンスの重要性
瓦屋根のトラブルは、早期発見・早期対応が何より重要です。この記事でご紹介したポイントを参考に、定期的な点検を心がけてください。
メンテナンスの基本スケジュール
点検時期 | 点検内容 | 対応方法 |
---|---|---|
春・秋(年2回) | 地上からの目視確認 | 自分で実施可能 |
台風・地震後 | 緊急点検 | 自分で確認後、異常があれば業者に連絡 |
5年に1回 | 専門業者による詳細点検 | 専門業者に依頼 |
10~15年に1回 | 漆喰の塗り替え(和瓦) | 専門業者に依頼 |
15~20年に1回 | 塗装の塗り替え(洋瓦) | 専門業者に依頼 |
最後に重要なポイント
- 安全第一:屋根に上る作業は絶対に避けてください
- 早期発見:小さな問題のうちに対処することで、大きな出費を避けられます
- 複数見積もり:工事を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう
- 記録の保持:点検結果や修理履歴を記録しておくことで、適切なメンテナンス計画が立てられます
瓦屋根は適切にメンテナンスすれば長期間使用できる優れた屋根材です。この記事を参考に、大切な住まいを守るための点検とメンテナンスを心がけてください。不安な点がございましたら、遠慮なく専門業者にご相談することをお勧めします。
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